ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人 2010年12月

(アニメ感想) 屍鬼 第22話 「蔡蒐話」

屍鬼 4(完全生産限定版) [Blu-ray]
屍鬼 4(完全生産限定版) [Blu-ray]
クチコミを見る




●意見交流の場として掲示板を設置しました。記事の感想や意見、原作ファンからの補足、もちろんアニメの感想も受け付けています。気軽に参加して下さい。(コテハン禁止等ルールがありますので禁止条項は必ず目を通してください)



☆屍鬼について語り合う掲示板



修羅と化した「人」は、屍鬼を狩りつくす。

静信は瀕死の傷を負い、沙子も捕まってしまう。

姿を現した夏野、その前に立つ辰巳の姿。

敏夫は村を守るため、力を尽くすが…。



全てが終わる。






↑ポチって押して頂けると励みになります。コメントを頂けるとコメントレスさせて頂きます!



いよいよ最終回。今回は、夏野、尾崎、静信と主人公格であった三人の視点とその選択の行く末といったところが描かれており、混乱する状況の中でもテーマとしての帰結を見せていたのが素晴らしかった。

私はこの作品を見る時に、尾崎という男と静信という男を同時に裏表の関係として考えてしまうのです。実は、尾崎と静信は似たもの同士なんです。あの村においては、村人から一目置かれる家に生まれ、様々な期待やかかる責任は彼らにとっての縛りとなっていた。

静信がそうであったように、尾崎もまた心のどこかでは村人達を嫌悪し軽蔑していたのかもしれない。何度訴えても屍鬼の存在を認めようとしなかった村人達に絶望したような言葉を漏らしていたのは、実際に尾崎の本音であったと思います。


ところが同じように村に絶望していた二人ですが、決定的な違いがあった。静信が村を見殺しにしたのに対して、尾崎は逆に屍鬼の手から村を救おうとしたわけですからね。

この二人の意識の差はどこから来たのかというと、案外職業柄というところも関係しているのではないかと私は考えています。尾崎は、医者という立場上これまで人々の命を救ってきたわけです。

一方で、静信はというと僧侶という立場上人々の死を見続け、それを見送ってきたわけでしょう。もちろん、それだけではなく二人の環境、そして根本的な性格の差異といったところも関係しているとは思いますが、職業から見る両者の意識の差は興味深いです。


さて、静信と尾崎の二人を比較すると、夏野は尾崎側の人間であります。尾崎は人々に絶望しながらも最後まで足掻きそして運命に抗おうとしました。それは夏野も同じです。その反骨精神こそが夏野支える全てあったのでしょう。

何も変わらないこの村で、村人達は疑うことなくその変わらない日常こそが幸福だと受け入れて生きていた。私は夏野が何を嫌悪し、何に恐れていたのかということがやっと分かった気がしました。

つまり、何かを疑いそこから変わろうとすることは、多くのエネルギーを必要とし、それはまさに戦いであるということなんです。

この村にそんな孤独な戦いが出来る人間なんて存在しなかったし、それこそ人々は日常のささやかな幸福を享受して満足しており、そのような村人の体質が嫌で、また自分もこの村で暮らしていくうちに静止した思考に染まってしまうことを恐れていたのではないでしょうか?


夏野や恵にとって、村人は思考停止の死人も同然であり、余程屍鬼的であったという皮肉。ところが屍鬼の場合は死んだ存在でありながらも、強烈な血への渇望と食料が確保出来ないかもしれないという不安により「死」を常に意識していると言うのだから妙な話しなんです。

つまり、「死」がすぐ隣にあるということは、それが「生」を強く喚起させているという言い方も出来るのですよ。村人が生きる屍で、逆に屍が「生の営み」を誰よりも体現していると言う対比は実に興味深かったですね。


人は死を強く意識することによってどう生きるべきかを定義していく。私は人間の死生観とは、そのように培われていくものだと考えています。この作品を見た後での「生きるとは何か?」と言う問いへの答えはおそらく誰に感情移入したかで変わることでしょう。

しかしながら考えなおしてみると、何かに絶望し何かを呪い、それだけしか出来なかった者は、同じ「死」でもどこか凄惨でむなしく悲劇的に描かれていたように思います。


燃える村を見つめながら尾崎は「俺のやったことは悪あがきにしなかった」と呟きました。なるほど、しかしそのように足掻き抗う姿こそが「生きる」ことなのかもしれませんね。

それが出来ずに唐突な死を迎えた者は、それこそ悲惨であります。血への渇望に抗い続けた律子の死に顔がどこか穏やかで満足そうだったのは、彼女が自身の守るべき信念を貫くための戦いを遂げることが出来たからでしょう。その姿は美しいとさえ思いました。

それはあたかも、死に足掻く沙子を見て「美しい」と言い放った辰巳の心境とも重なるようであります。


一方で、ただ呪いの言葉を発するだけの恵や正雄が迎えた死はどうだったでしょうか?もちろん、恵や正雄は実に人間らしかったし、屍鬼となってもその本質が変わることがなかったところに愛嬌を感じて憎めないという印象を抱いた方も多いと思います。

でも、私はどうしても彼らの生き方を肯定出来ない部分があるのです。それは根本的な夏野や律子達との人間力の差というものを感じるせいかもしれません。

北斗の拳の「お前はもうすでに死んでいる」じゃないけど、彼らは他の村人と同じように人である時からすでに死んでいて、屍鬼となってもそれは変わらず、二度の死を迎えた・・・。なんだろう、どうしようもないけどとても哀れで同情的になってしまうなあ。


ともかく、これほどまでに様々な感情を喚起させられた最終回は久しぶり。大いなる満足と共に筆を置きたいと想います。是非皆様の感想をきかせてくださいませ。掲示板にてご意見、反論お待ちしております。

<大晦日は今年一年のアニメを振り返りましょう!!・・・「ピッコロのらじお♪年末スペシャル」は12月31日(金) 夜10時より放送予定>

12月31日(金)夜10時から放送を予定の「ピッコロのらじお♪年末スペシャル」は、大晦日特別放送!!今年起こった重大ニュース、そして一年のアニメを振り返って濃いトークを繰り広げていきます。

当日は掲示板も設置!初めての方も大歓迎なので、気軽に参加してくださいね~!なお、ラジオの配信のお知らせ、ラジオの聞き方等は、当ブログトップページをご覧下さい。

http://twodimension.blog59.fc2.com/tb.php/1935-2c0a3607
スポンサーサイト
お知らせ

毎週火曜日22時と金曜日21時半より「ねとらじ」にてアニメ感想ラジオ
「ピッコロのらじお♪」を放送中~!
アニメ好き男女による濃厚なアニメ語りが聴きたい方は是非聴いて下さい。掲示板で語りに参加できます!!
ねとらじHP
http://ladio.net/

☆火曜日課題アニメ
Fate/Apocrypha、メイドインアビス、将国のアルタイル、ひとりじめマイヒーロー、ボールルームへようこそ、賭ケグルイ、活撃 刀剣乱舞、ナイツ&マジック、アホガール等
☆金曜日課題アニメ
サクラクエスト、サクラダリセット等
各レビュア・プロフィール
ピッコロイラスト100
Author:ピッコロ
このブログの総責任者。ネットラジオのDJ。最近はBLゲームにもはまりニコ生で配信中~。永遠の18歳。


Author:フォルテ
主に朝夕アニメの感想を担当。ラジオでの役職は「切り込み隊長」。そして永遠のショタ。

☆各イラストはARIKAさんに描いて頂きましたありがとうございます!
アクセスカウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
ページアクセスランキング
ブログパーツ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR