(アニメ感想) 地獄少女 二籠 第12話 「黒の轍」

地獄少女 二籠 箱ノ一




夜の山道を走り続ける一台のトラック。トラックの運転手・道朗は、途中ヒッチハイクをしていた老人を拾う。老人は、かつてこの地に住んでいたことがあると、道朗に話し始めるのでした・・・。色んな意味で考えさせられるシナリオでした。まず今回、なぜ地獄少女はすぐに現われなかったのか?輪入道は言いました「すぐに現われるとは限らない。依頼者の心の声を聞くために我々のようなものがつかわされる時もある」と・・・。しかし、どうでしょうか?あの老人の寿命がつきる直前であったことはアイも知っていたような口ぶりでした。男に人形を渡した時に、「まだ間に合う」と言う言葉を使ってましたからね。

もしかすると、老い先短い老人のため、静かに死なせてあげようと考えたのかもしれません。確かにこの作品のエグさを考えるとはそれは「ぬるい」と言えるかもしれませんが、まるで図ったようなあのタイミングでの登場・・・あくまでも形式としての登場と言う風に私には見えたのです。どちらにせよ、依頼者に復讐させる気があるのであれば、老人の寿命を知っていてあれだけ遅い登場はないなと思いました。

トラックの運転手との会話の間に挿入される輪入道の回想も良かったです。彼の過去が、ただの車輪だったと言うのは何とも切ないですが(苦笑)、物にも魂が宿ると言うのは何とも日本的な発想で、キライではありません。

それにしても驚いたのは輪入道のあの行動です。いえ、輪入道の気持ちは分かります。かつて姫を乗せた牛車があの崖から転落したと言う過去・・・その現場に輪入道はいました。あの時姫を救えなかったと言う未練、そして道郎と関わることで彼に対しても情が移ってしまった部分はあるのでしょう(本来あってはならないことなのでしょうが)。そんな様々な思いが、輪入道をあの行動へと駆り立てたのです。誰も救えなかった昔とは違い、今回は一人の命を救うことが出来ました。輪入道にとってこの事実は重要であったに違いありません。

特に、「主の後を追いたかった?」と言う輪入道に向けたアイのセリフは印象的でした。彼女の仲間に向けたこんなセリフも、とてもめずらしいものです。彼らがこの世に残した未練、互いにその痛みが分かるこそ響く言葉もあるのでしょう・・・。これまでは、互いの事情には深く関わらないようにしているように見えた地獄のお仕置き人達。しかし、彼らは彼らで意外に強い結びつきがあるように思えました。そういう意味でも収穫の多かった回ではありますね。

今回も、前回と同じく最後に見終わった後「う~ん」と唸ってしまいました。非常によく出来たシナリオだったと思います。輪入道の忘れられない過去、家を守り続けた老人の思い、そして弟を失った道朗の熱く激しい復讐心。誰が悪いわけでもなく、ただ不条理がそこに存在する・・・。しかし、人と関わりすぎである批判もあろうかと思いますが、私は輪入道のあの行動には深い感銘を受けました。救いのない話しが続く第2期で、不条理の悪循環を断ち切るための一つの答えを彼が提示してくれたような気がします。「この世も捨てたもんじゃない」かつて、輪入道はそう言いました。今ならば、その言葉も大いなる説得力をもって聞こえてくるのです。いやあ、素晴らしかった。次回にも激しく期待です。

「およしよ、およしよ」あの時、きくりは一体何をしようとしていたのでしょうか?障子に穴を開けようとしていたのかな?もう少しで婆さんの正体が明らかとなるところだったのに・・・残念だ。

地獄少女 2007年カレンダー


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