(アニメ感想) 天保異聞 妖奇士 第15話 「羅生門河岸の女」

天保異聞 妖奇士 一 (完全限定生産)




吉原で起こっている謎の連続殺人事件。鳥居の手下である本庄はアトルを犯人として捕らえようと企む。逃げ出したアトルは、お歯黒溝で清花と言う一人の遊女と出会う。そして、清花の部屋へと匿ってもらうのだが・・・。無事救えたら・・・俺のものだ!」狂斎の奴、往壓がアトルの事を気にしていると知ってて、宣言しやがったな・・・(怒)。まあ、その言葉に微妙に反応する往壓も大人気ないですな。

ただ、異界に対しての憧れを持ち、現実の世界に目を向けようとしない彼女には、狂斎のような急進者が必要なのかもしれません。

このまま、異界に心を捉われたままだとロクな事にならないと言うことは、往壓を見ていれば分かります。彼は自らの罪を認めたくないがために、雲七と言う幻影を作りだしたような人間なのです。しかし、ここで疑問なのは異界を目にしながらも、狂斎はなぜこの現実世界を謳歌出来るのでしょうか?それは、アトルに囁いたセリフに大きなヒントが隠されているような気がします。

お前に教えてやるよ。この世は極楽で、地獄だ」、狂斎はあの若さで遊女達を侍らせ豪遊していたようですが、一方で喧嘩や火事の現場に現れては絵を描くと言う奇行も目立っていたそうです。彼が見極めようとしていたのはこの世界の真実・・・。彼が、この吉原での光と闇を見ることで、与えられた影響は大きいものでしょう。狂斎は、現実主義者でもあり究極のロマンチストでもあるのです。そんな彼だからこそ、異界だけに心捉われることがなかったのかもしれない。

そして、そんな狂斎にだからこそ、往壓はアトルを任せられたのかもしれません。彼は気づいているような気がします、このままでは傷のなめあいになりかねないということを・・・。「アトルにとって異界を見たお前だけが、心許せるものではないのか?」と言う宰蔵の言葉がまさにそれです。それは重々承知している・・・だからこそ自分じゃダメなのだと言うことなのです。

で、宰蔵がアトルのことでやたらと往壓にからんでくるのは、もちろん往壓が好きだからです(苦笑)。往壓にアトルを追いかけろと煽ってるのはなぜ?と思われるかもしれませんが、それは複雑な乙女心、まあ実際のところ私もよく分かりません(汗)。もしかしたら、アトルを自分に置き換えて、「私だったら往壓に追いかけて欲しい」なんて思っているのかもしれません。まあ、あんなおっさんのどこがいいのかは知りませんが(苦笑)、可愛いですね~。

逃げ出したアトルが行き着いた場所・・・人はそこを地獄と呼ぶ・・・。アトルと清花との出会い。殷賑を極める吉原の表舞台が極楽ならば、ここは地獄。しかし、この地獄でしたたかに生きる女達の実情をアトルは知ることとなるのです・・・。

ここでない別の場所へと憧れる想い・・・人はそれを逃げだと言う。それでも、惹かれるその場所に、何があるかは知る由もなく・・・。ただ、翼があれば・・・羽ばたける翼があればそれは叶う。だが、それも儚い夢と消える・・・念願叶って手に入れた美しい翼、そして広がった世界。しかし、そこから先の未来像を描けなかった一匹の悲しき蝶は夕日の中、静かに崩れ去っていくのだった・・・。

ここで、謎だったのはなぜ清花は、蝶となり羽ばたきながらも、消えてしまったのかと言うこと。彼女は、蝶がキライだと言ってました。自分の足元を見つめないただのロマンチストは、彼女の性には合わないということでしょう。ただ、本音の部分ではこの世界から出たいと言う想いも抱いていたと思います。その心の隙に、妖夷が寄生したものだと私は思っています。

実際、彼女は立派に蝶となり舞うことが出来ました。ところが・・・です。彼女が消えてゆくあの瞬間、私は清花が市野の熱い告白に心が揺らぎ、それが許せないと言って自分を刺そうとしたシーンを思い出しました。消えゆく蝶・・・あのシーンに清花の憧れへの強烈な拒絶を見た気がしたのです。

なかなかに、興味深い話でした。本当はまだまだ考察したい部分はあります、特に市野やアトルについては自分の中ではまとめきれていません。が、時間があまりないので無難にまとめてみました。

しかし、市野にとっても清花とっても不幸な話しですが、この二人がもっと器用に立ち振る舞える人達だったら、こんな事にならなかったと思います。この二人の悲劇はアトルにとっては教訓となったでしょう。今回の事でやはり彼女には、狂斎が必要なのだと感じました。今後の二人の関係には注目していきたいですね。



Winding Road/ポルノグラフィティ


http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13645893

0 Comments

Post a comment