(アニメ感想) ぼくらの 第4話 「強さ」

ぼくらの 6 (6)




僕はパパを尊敬している。パパは選ばれた人間だから何をしてもいいんだ・・・。俺もパパみたいに選ばれた人間になりたい。そして、俺はジ・アースに乗っている・・・。パイロットとして選ばれた者が主人公となり、その者の視点で進行していくストーリー・・・それがこの作品の特徴です。そして今回の主人公は、小高勝。彼は父を尊敬しています。

成り上がりの建設会社の社長である父。人に勝つことしか興味のない父は、すぐに人を見下しケチをつける、欲しいものを手に入れるためならば手段を選ばない。そんな父を兄は嫌っているが、僕は父を尊敬している・・・。

勝にとって父は強さの象徴であるのでしょう。社長として上に立つ人間、会社を動かすただの歯車として機能している社員達と違い、その位置にいられるのはまさに選ばれし者だからと言うのが彼の理屈なのです。

そして、勝はジ・アースに乗っています。彼はこの戦いを、人の死に関われる貴重な体験と見なしています。死んでいい命と、選ばれて生き残る命・・・まさしくその選定に自らが関わるという喜び。それこそ、神にでもなった気分なのでしょうね。

躊躇なく建物を破壊し、倒すべき敵と戦う勝ですが、ここで子供の一人の「街を破壊することを躊躇しているのは向こうみたい(敵ロボット)・・・」と言う発言がありました。確かに、敵ロボットは出来るだけ街を壊さないよう、気を使って操作されされているように見えます。これは、原作にないシーンですが、ある秘密の大きなヒントとなっています。こうした伏線を挿入するのはストーリーの流れを作る上で重要でありますね。

さて、戦いの中敵に引き込まれ倒れこんだ際に、父の乗った車を巻き込んでしまった勝。選ばれた者であったはずの父・・・死ぬはずのない存在・・・強さの象徴であり、尊敬の対象であった父。その命を勝自身の手によって途絶えさせてしまったと言うのは、何とも皮肉な話しではありませんか。結局、人が生かされていることに何かの意志が働いているはずもなく、全ての生命が等しく、魂の炎を消費するだけの存在であることを、勝は最後に思い知ったのかもしれませんね。

こんなのはヒーローのやることではない」戦いの最中に、そんな子供のセリフがありました。そう、彼らは決して選ばれた正義のヒーローなどではありません。ただ互いが生き残るために、命のやりとりをするだけの存在。そして、大きすぎる力を手にした対価として、戦いの後には命を捧げることとなる・・・。

つまり、子供達は世界の人々が救われるための、ただの駒に過ぎないと言う事。おそらく契約すれば、誰にだってパイロットになることが出来るでしょう。代わりは幾らでもいる・・・それが現実です。

さて、残酷なる現実が明らかとなった事で、子供達の中には大きな変化が訪れることとなるでしょう。決して避ける事の出来ない死を前にし、子供達はどうそれと向き合うのか?それは、この作品における大きなテーマでもあります。

だが、一概にそれを絶望とは呼べないでしょう。死を目前にしたからこそ、輝く命だってあるのです。もちろん、間近な死を意識し潰れてしまう人間もいますが・・・。こうした死生観は、我々にとっても簡単に答えの出す事の出来ない不変のテーマであり、だからこそこの物語に強く引きつけられてしまうのかもしれませんね・・・。次回にも期待です。

ぼくらの 5 (5)


ぼくらの - livedoor Blog 共通テーマ

http://ap.bblog.biglobe.ne.jp/ap/tb/1dae95e670
http://app.blog.ocn.ne.jp/t/trackback/5632644
http://tb.plaza.rakuten.co.jp/dyg0blog/diary/200705020003/88315/
http://ylupin.blog57.fc2.com/tb.php/3049-312d2f94
http://blog.seesaa.jp/tb/40798278

0 Comments

Post a comment