魔裟斗VS川尻戦は何を伝えたのか? K-1 MAX 2009 FINAL8 TV観戦感想

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と言うことで、昨日放送されました「K-1 WORLD MAX 2009 World Championship Tournament -FINAL8-」のTV放送の感想を記していきたいと思います。トーナメント本選、魔裟斗VS川尻戦など注目の試合が目白押し!さて、どのような熱戦が繰り広げられたのか・・・。





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<HIROYA VS キコ・ロペス>

試合結果・・・HIROYAの3R判定勝ち

ロペスは総合系の選手。とにかくこの手の選手は1ラウンドが危険。HIROYAは十分に注意しなければならなかったが、早速1ラウンドにつかまってしまった。見えにくい角度でちょっと分かりづらかったけど、右フックでしたっけ?あれはダウンを取ってもいい場面だった。

最後のパンチがややプッシュ気味になったので、ダウンを宣告しなかったのか?ちょっと不可解・・・HIROYAはそれなりにダメージがあったようだけど、相手の猛攻にカウンターを合わせ何とか1ラウンドは乗り切った。

2ラウンドはHIROYAがローキック、そしてミドルキックでうまく距離を取り、冷静な試合運びを見せた。途中からボディが効いている事に気づいたらしく、HIROYAは時折膝を繰り出し相手のダメージを削っていく。そして残り1分前になった辺りで左ボディと右ボティのコンビネーションが決まり、これが効いて前かがみになったところに膝が入ってレフリーはダウンを宣告。

ダウンを奪ってから一気に攻勢に出るHIROYAだったが、何とかロペスが凌ぎ、3ラウンドに突入。3ラウンドも終始HIROYAのペースだったが、パンチが大振りで攻撃もやや単発、結局ロペスを倒しきることは出来なかった。

HIROYAは勇敢に戦い、高校生らしからぬ技術も見せたが、幾つかの課題も浮き彫りになった。相手の大振りにつられたのか、力みを感じパンチが大振りな上に、攻撃も単発になっていた。もっとスピーディーなコンビネーションを多用すべきだったし、コンピネーションの最後に蹴りで終わるような攻撃が多く見たかった。

この辺りは経験かな?・・・後、2ラウンドでロペスが失速した件について「怪しい・・・」という意見を結構見かけたが、2ラウンド少々攻めあぐねていたところにHIROYAのボティを貰って、効いてしまっただけではないだろうか?


<チョン・ジェヒ VS 山本“KID"徳郁>

試合結果・・・チョンの1RKO勝ち

チョン・ジェヒについての情報がほとんどなかったため、ちょっと展開が予想しづらい試合ではあった。まあしかし、相手がそれほど強いわけではないだろうし、KIDがスカ勝ちを収めてくれるかな?と思っていたらば、予想外の結果が待っていた。

相変わらずKIDはスピードがある。最近は、構えがアップライトのムエタイスタイルとなり、以前のような野性味は薄れた感があるが、今回は立ち上がりからかなりアグレッシブに攻めていたと思う(構えも途中からムエタイスタイルでなくなった?)。

そしてその瞬間は不意に訪れた・・・チョンが飛び込んできたところに合わせたKIDの右フックのカウンターがヒット!これが効いたのか、チョンが慌てて後ろに下がると、KIDがチャンスとばかりに猛攻を仕掛ける。

しかし、KIDにしてみればこの一気呵成のラッシュが、後に悔やまれたことだろう。パンチの打ち終わりにカウンターをもらっていたが、やや大振りの右フックを放った直後のカウンターが致命傷となった。右アッパー、そして返しの左のフック・・・これがまともに当たった。

KIDは失神KO負け。カウントは必要なく、前のめりに倒れたKIDの姿を見てレフリーはすぐに試合をストップすべきだっただろう。敗因は何か?正直早すぎて、相手の力量が分からなかったので分析は難しい。

ただ、KIDは総合の選手なので、それほど落ち込む必要はないのかもしれない。やはり本職でのスキルアップを目指すべきだろう。勝ったチョン・ジェヒの試合は今後も見てみたいと思った。


<渡辺一久 VS 山本篤>

試合結果・・・渡辺の1RKO勝ち

実に異種格闘技戦らしいマッチメイク。直前の私の予想では渡辺の1ラウンドKO勝ち。今回で試合で唯一当たった予想かな?

立ち上がり、渡辺は不気味な静かに構え、山本の動きを見ている。一方の山本は若干低いガードで積極的に前に出、相手の隙を見い出そうと動く。

相変わらず、渡辺がノーガードで挑発したりと変則スタイルを見せるが、序盤は非常に静かな展開・・・。しかし1ラウンド中盤辺りでいきなり試合が大きく動く。

渡辺の重い右ストレートが火をふき、明らかに山本が効いた表情を見せる。ここで渡辺が追い討ちとばかりにパンチのラッシュを仕掛け、さらになんとハイキックを繰り出した。

これが巻き込むような形でヒットし、山本は膝をついた。これはダウンでも良かったが、なぜかレフリーはダウンを取らずに試合を続行させる。しかしここで完全に流れは渡辺の方に傾き、右ストレートで3度のダウンを奪い完勝!

落ち着きのないところがあるが、元ボクシング日本チャンピオンらしい安定したボクシング技術を披露していたと思う。パンチも重くKOも出来る選手なので、今後キックボクサーのアンチテーゼとして大きな魅力を発揮してくれるかもしれない。

それこそ、ヘビー級黄金時代におけるマイク・ベルナルドのように、一流キックボクサーをバッタバッタとなぎ倒してくれれば、60キロ級も盛り上がるのではないだろうか?


<ドラゴ VS 山本優弥>

試合結果・・・山本の3R判定勝ち

試合前は山本にもチャンスがないわけではないが、相当に厳しいだろうと予想。ところが、意外にも・・・と言ったら失礼だろうか、本当に山本は素晴らしい戦いをしてくれたと思う。

これだけの強豪がひしめく中量級世界最高峰のトーナメントに日本人が果敢に挑もうとしている・・・それは、かつてヘビー級の佐竹が外国人相手に奮闘していた姿ともタブり、久しぶりに日本人選手を応援したいという気持ちになった。

実際、山本は魂のこもった熱い戦いを見せてくれる選手である。よくよく考えたら、日本代表トーナメントの小比類巻戦でも圧倒的不利な状況から強烈な一発を浴びせダウンを奪うなど、その片鱗は垣間見せていた・・・。

何かを起こすかもしれない・・・そんな可能性を感じさせてくれる選手ではあることは間違いない。この試合も1ラウンドはドラゴとのパワーの差をやや感じたが、持ち前の気の強さと根性で怒涛の反撃を見せ、2ラウンド終盤にはドラゴをコーナーに追い詰めラッシュを仕掛けるなど、山本は大きな見せ場を作った。

3ラウンドも両者一歩も引かず、激しく打ち合い見るものを熱くさせる展開になった。3ラウンドほぼ互角、2ラウンドは山本が取ったかな?という試合・・・結局、軍配は山本の方に上がった。

次のペトロシアン戦は今回以上に厳しい試合になることは明白で、山本陣営がそれまでにどのような対策を取ってくるのか、楽しみだ。勝敗はともかく、何か大きな存在感を残せる試合をして欲しいものだ。


<アルトゥール・キシェンコ VS アンディ・サワー>

試合結果・・サワーの延長R判定勝ち

注目の試合。やはり素晴らしい技術戦となった。戦前の私の予想では、互いに距離の取り合いとなり、キシェンコがリーチ差を生かしてサワーを入らせない展開になるだろうと考えていたが、大体その通りになったかな?

キシェンコがコンビネーションを多用し、決して接近戦に持ち込ませないよう戦っていたのが印象的だった。やはりサワーとしてはくっついてのコンビネーションが出ないと調子が上がらない。その辺りをちゃんと熟知した上での戦い、そしてそれが実践出来る凄さ・・・やはりキシェンコは才能に溢れている。

ただ3ラウンドが終了して、ジッャジはどちらが優勢とはつけられなかったようだ。キシェンコは手数を出したが、サワーも要所要所でポイントを奪い、また内腿へのローキックを次第に効かせていた。このローがとても効くという話しは魔裟斗がしてましたっけ?

延長ラウンドに入ると、サワーのローが効いたのかそれとも単純なスタミナ切れか、攻撃にあまり力を感じない。こうなるとキシェンコの攻撃力が落ちた分、サワーが中に入りやすくなかったようでサワーの攻勢が目立ってきた。

左のハイキックで相手をぐらつかせたり、内腿、そして外側のローの打ち分けも良かったと思う。そして延長を終えての判定・・・3-0で三者ともアンディ・サワーを支持し、サワーの判定勝ち。

やはり、コツコツと当てていたローキックがこの結果へと結びついたようだ。延長に入って、ローに焦点を絞り攻略したサワーの作戦勝ちと言っていい。キシェンコの敗退はもったいないが、若いので次がある。来年こそはトーナメントで大暴れしてくれることを期待したい。


<ジョルジオ・ペトロシアン VS アルバート・クラウス>

試合結果・・・ペトロシアンの3R判定勝ち

TV放送ではハイライト・・・うーん残念。試合映像が短かったので、何とも判断できないところはあるが、やはりペトロシアンがクラウスのパンチを避けまくっていた。

やはり試合はペトロシアンが、終始支配していたのだろうか?互いにもつれあって倒れこんだ時に、クラウスが「ヘイ!」とイラついていたのが印象的だった。

この選手を崩すのはとても難しい。個人的には、魔裟斗との試合が見てみたいが・・・正直ペトロシアンが負ける姿が想像つかない。決勝トーナメントが実に楽しみだ。


<魔裟斗 VS 川尻達也>

試合結果・・・魔裟斗の2R1分43秒TKO勝ち

あれだけ、魔裟斗有利が叫ばれていながらも、いざ試合となると物凄い緊張感が漂っていた。MAXでこれだけの緊張感が味わえる試合はそうそうない。それこそ、昨年の魔裟斗VS佐藤戦以来かな・・・。

私は1ラウンドにKOで倒す以外に川尻が魔裟斗を倒す方法はないと予想していた。ラウンドを重ねるごとに技術の差が顕著になってくるのだから当然なのだが・・・。

立ち上がりはお互いにイケイケモード。川尻のプランは恐らくシンプルではっきりしている。いかに魔裟斗の攻撃をかいくぐり接近してパンチを叩き込めるか。

魔裟斗は非常にスピードのある選手だから、当然ながらそれを実行するには多くの困難が伴う。何せ待ってても魔裟斗は自ら打ち合いに応じてはくれない。

チャンスメイクが川尻に必要だったが・・・やはり小手先のテクニックが通用するほど、甘くはなかったということだろう。1ラウンドの魔裟斗の右ストレートはスピーディかつ的確なものだった。

あれはかなり効いたと思う。そして、川尻はこれでかなりの恐怖を感じてしまったのではないだろうか?それでも、2ラウンド開始時、そんな恐怖を打ち消すように魔裟斗の懐へ飛び込んでいった勇気は褒めたい。

魔裟斗もローキックばかりを多用するわけではなく、彼にしてはめずらしく相手に合わせてパンチでの勝負を仕掛けていた。これは1ラウンドで川尻のパンチがそれほど危険じゃないと認識したためかもしれないが・・・。

ただ、そうした展開で試合は大いに盛り上がり、敗れた川尻も十分に輝くことが出来たと思う。もちろんそれは川尻が勇気を見せ魔裟斗との打ち合いに一歩も引かず、そしてパンチの被弾に耐えたからこそだっのだが・・・。

試合内容は魔裟斗の圧勝。まあ、当然の結果。しかし、両者の大きな看板を背負っているという強いプライドと、試合を盛り上げなくてはならないという自覚が作り上げたこの試合にはとても大きな意味があったと思う。

正直、魔裟斗の引退試合にはあまり興味がなかったけど、これからK-1を背負うべき者達に大切な何かを試合によって伝えるという意味では、十分に価値があるかもしれないとちょっと考えさせられた。



<全体的な感想>

いい大会だったし、魔裟斗 VS 川尻達也戦も盛り上がり、さらに視聴率も高かったのだから主催者としてはウハウハだっただろう。ただ、トーナメント本選では玄人を唸らせるような技術の攻防は見られても、一般人を熱くさせるような魅力があまり感じられなかったのは残念。

これは、TV放送の編集の仕方にも大きな問題があると思った。とにかく、ペトロシアンの試合のハイライトや、ブアカーオの試合のTV放送カットはひどい。KIDの試合をハイライトで流すぐらいなら、これらの試合をちゃんと放送すべきだった思う。スーパーファイトではなく、トーナメント本選・・・しかもたった4試合だと言うのに・・・。

そういえば、石井元館長がユーチューブで流している「館長チャンネル」で、館長がフジTVとTBSのコンセプトの違いを取り上げ、「フジTVはスポーツライクにやりたいと考え、TBSは特定のキャラクターを前面に出したいと考えている」と言及、さらにTBSの放送に関しては「もうええから(演出)試合見たいって思う」と話していたが、この意見には共感を覚えた。

一般の視聴者にこびるのではなく、K-1の真の魅力というものを視聴者に啓蒙していく事が大事だと思う。実際、まだK-1が深夜帯で放送していた頃、そうやってフジTVは視聴者にK-1の魅力を伝え、あれだけマイナーだった格闘技をメジャーにしたのだから・・・。

決勝トーナメントは本当に楽しみだ。渋いメンバーが揃ったが、彼らが大舞台で多くの人に勝敗だけではない、何かをもっと別の魅力もアピールしなくてはならないと言う事を自覚し、リングに上がってくれればきっと盛り上がるはずだ。

彼らの先輩達はそうやってK-1を盛り上げてきた。魅力あるプロ選手としてのあるべき姿というものを見せて欲しい・・・。


以上、私の長い文章に付き合って頂きありがとうございました。よろしければ感想等を聞かせてくださいませ。

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