(アニメ感想) 蟲師 第20話 「筆の海」

蟲師 其ノ参




さて、地上波では今回が最終回となります。続きはDVDか5月にBSフジで放送れるのですが、地上波最終回にふさわしい内容となっています。禁種の蟲の登場。このアニメの全体テーマその根幹部分を見たような気がします。さあ、地上波最後の蟲師、とくと味わおうではありませんか。それでは、感想です・・・。人里離れた場所に堅牢な塀に守られて建つ一軒屋。そこを訪れたギンコを迎えたのは一人の老婆。ギンコは老婆の先導の下、これまた堅固な錠によって閉められた地下の書庫へと赴きます。この書庫に積まれている多くの書物はただの蟲封じ指南書などではありません、まさしく秘書・・・そうこれは歴代の狩房家付蟲師が、ある蟲について記したものなのでした。

四代目の筆記者としてこの世に生を受けた淡幽は、生まれつき右足に黒いあざがあります。また、その右足は自由が利かず外に出て自由に走り回ることも出来ずそれを嘆くことも・・・。ある時、狩房家付きの蟲師、薬袋は淡幽に狩房家の背負った運命について話します。かつてこの地を襲った大天災、全ての動植物が衰え行く中ソレは現れました。他の全ての生き物を滅ぼさんとしたその蟲は、薬袋の先祖の蟲師によって淡幽の先祖の体に封じられたのでした。右足に封じた蟲を眠らせるため、蟲師の語る蟲封じの話しを書に書きとどめる淡幽。そんな日々続いたある日、淡幽の元へギンコが訪れます。異形のものに対する恐れからなのか、蟲を死に追いやることでしかその問題の解決と見なさない他の蟲師達にうんざりしていた淡幽には、「殺さない話しもある」とひょうひょうと話すギンコは新鮮な存在として映るのでした・・・。

さて、地上波最終回にしてようやくと言うかこの作品で初めて明確なテーマの提示を見た気がします。それは淡幽の言葉「生き物と蟲の共存」。ギンコの名言「彼らは決して友人などではない、奇妙な隣人だ」を思い出しました。書に封じられた蟲が動き出した時に彼らを愛玩物と茶目っ気一杯で言ってのける淡幽。しかし、「決して下手をしたりはしない」とそれを封じる彼女の姿は、ある意味蟲と人との共存関係、そのあるべき姿を示してくれているのかもしれませんね。

異質のものへの嫌悪や恐怖と言うのは、実は幼いころの淡幽自身にも向けられていたものかもしれません。唯一その彼女の全てを受け入れてくれた存在が薬袋だったのでしょうが、自分の境遇とある部分では同調していたのかもしれない蟲に対して、排他的思考を持つ蟲師に嫌気が指していたというのは分かる気がします。彼女はこれからも蟲を封じるためここに残り書き続けなくてはなりませんが、いつか足が治ればギンコと旅をしたいと言います。幾つになって自分が生きている限りは、その約束を果たすと話すギンコ。実質、プロポーズですかね?(笑)

いよいよ最後になりました。今まで極上の時間を我々に提供してくれたこのアニメには感謝の気持ちで一杯です。結局のところ蟲とは何なのか?またそれと人との関りとは?等多くの疑問が残されたままのラストになりましたが、これは最後まで答えの出ることではないのでしょう。それこそ、蟲に影響を受け翻弄される人の運命、また村と言う閉鎖空間に突如現れ気づきをもたらすギンコ。どちらにしてもあるがままを映し出しているに過ぎないのかもしれませんね。重ね重ね蟲師と言うこの素晴らしい作品をアニメ化してくれた監督、ならびにスタッフの方、そして素晴らしい演技を披露してくれた声優さんの方々には心より感謝したいと思います。それにしても、このアニメの感想は難しかったです。出来ればもっとじっくり考察しながら感想を書きたかったですね。

蟲師 7 (7)

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